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循環ズ

2025.12.17

循環フェスvol07アフターレポート @トークステージ:暮らしからはじまる、エシカルの循環

“エシカル”とは、人や自然、社会へのやさしさを軸にした生き方。日々の選択がつなぐ小さな循環について、エシカル協会と循環フェス実行委員会メンバーが語ったお話。

今回は2025年11月22日に開催された第7回循環フェスのステージイベントにて、一般社団法人エシカル協会 代表理事 末吉里花さん、コーディネーター エバンズ亜莉沙さん、循環フェス実行委員会 委員長 岩﨑仁志さん、そして学生企画実行マネージャーによる対談の様子をお届けいたします。

循環フェスとは、


京都市を中心に新しい古着の循環方法を若者と共に広げるリユースの祭典。2022年に始まり、Z世代やリユースに関わる人々とともに国内古着の新たな居場所を生み出す、新たな「循環」のムーブメントです。


イベントでは使用済み衣服回収ボックス『RELEASE⇔CATCH』による古着の回収や、回収された古着のうちお気に入りのものを3点まで¥0でお持ち帰りいただける『¥0Market』を開催しています。


今回の循環フェスでは、2,118kgの衣服が回収され、お持ち帰りいただいた衣服数は3850点。今回の第7回循環フェス開催により、101.3tのCO2が削減され過去最大となりました。


他にもマルシェ、マーケット、ワークショップ、展示、さらにステージイベントなどコンテンツが充実!

一般社団法人エシカル協会とは?

今回登壇いただいた末吉さんが代表理事を務める一般社団法人エシカル協会。
「人や自然、すべてのいのちにやさしい選択」を社会に広げていくことをめざして活動している、日本初の“エシカル”専門団体です。

ここでいう「エシカル」とは、ただ“いいことをしましょう”というスローガンではなく、

日々の暮らしの中で、自分の選択が誰かの暮らしや地球環境にどんな影響を与えているのかを想像しながら、一歩ずつ行動を変えていくための“ものさし”のような考え方です。

その活動は「エシカル」という言葉がほとんど知られていなかった2010年頃から、フェアトレードや環境問題、人権などを学ぶ講座から始まりました。そんな学びの場から生まれた受講生どうしのつながりを土台に、2015年に一般社団法人としてスタート。以来、「エシカル協会」という名前の通り、日本におけるエシカル分野のパイオニアとして、エシカルな暮らし方や消費、ビジネスのあり方を社会に問いかけ続けています。

協会が大切にしているのは、「一人の完璧な100歩より、100人の小さな1歩」という言葉。

特別な誰かだけが頑張るのではなく、今日の買い物、仕事の選び方、暮らしの工夫といった身近な場面で、少しずつエシカルな選択を増やしていく。その積み重ねが、やがて地域や世界の大きな変化へとつながっていく。エシカル協会は、そんな「やさしい変化の連鎖」を後押しする、温かな伴走者のような存在です。

トークステージ:暮らしからはじまる、エシカルの循環

循環フェス当日に行われたトークイベント、「暮らしからはじまる、エシカルの循環」。

会場にはエシカル協会の末吉里花さん、エバンズ亜莉沙さんを迎え、日々の暮らしから始められる“エシカルの実践”について、登壇者それぞれの視点から語っていただきました。

はじめに、末吉さんがお話しされたのは、「エシカルとは、エいきょうを シっかりと カんがえル」という、とても本質的な視点です。日々の買い物や食事、服を選ぶ瞬間など、私たちの小さな行動が、誰かの暮らしや地球の未来と静かにつながっていること。

その事実を無理なく受け止め、できるところから選択を整えていくことこそ、“暮らしからはじまるエシカル”だと語られていました。

続いて、エバンズさんからは「エシカルは、我慢や完璧さを求めるものではなく、自分も心地よく続けられる選択であるべきだ」という言葉があり、会場がふっと軽くなるような空気が流れました。

肩の力を抜きながら、自分に合ったペースで取り組むことが、長く続くエシカルの姿だと優しく示してくださったように感じます。

お二人のお話の中で、特に心に残ったのは、末吉さんが大切にされている「一人の100歩より、100人の一歩」という考え方。

これは、“少数のヒーローがすべてを変える”のではなく、ひとり一人の小さな一歩こそが、社会を変える大きな力になるというメッセージです。そしてこの言葉は、循環フェス実行委員会委員長の岩﨑仁志さんが日頃から語っている価値観とも深い繋がりがあるように思います。

「意識を高く持つ」のではなく、むしろ「意識を低く、気負わず、何より楽しく続ける」こと。“やらなきゃ”ではなく、“やりたい”から始まる行動。 

この姿勢こそが、循環フェスの空気そのものなのだと改めて認識する瞬間でした。 

トークの後半では、“リサイクルよりリデュース。まずは作る量を減らすこと”という、循環の原点に立ち返るメッセージが語られました。 

物をつくり、使い、手放す。そのすべての段階に、私たちの選択の余地があること。 

そして、エシカル協会が目指すのは、その選択が誰にとっても自然で、あたたかいものになる未来だということが、静かに伝わってきました。 

エシカルは、特別な知識でも、高い意識でもなく、自分の暮らしの中で“できる一歩”を大切にすることから始まる。 

そのシンプルさが、どこまでも力強いものとなり、結果として社会に、環境に貢献されているように感じます。 

トークを終えた会場は、「今日からできる小さな一歩」が、それぞれの心の中にそっと芽生え、エシカルの輪がまた少し広がったように思います。 

最後に 

エシカルは、特別な知識や高い意識を必要とするものではなく、自分の暮らしの中で“できる一歩”を選び取るところから始まります。今回のステージで語られたのは、完璧さよりも“続けられる選択”を自分の暮らしの中に見つけていくこと。そして、その小さな積み重ねが、地域や社会の未来を静かに変えていくという確かな希望でした。 

「一人の100歩より、100人の一歩」。この言葉が示すように、循環は誰かの大きな勇気ではなく、みんなの小さな行動の中で育まれていきます。私たちの暮らしが、次の循環を生み出す一歩になることを信じて、今日もできる選択を重ねていきたいと思います。