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循環ズ

2024.12.06

【アグティ×循環フェス】「働く」を通して人を幸せに。誰も孤立しない社会をみんなで創るアグティの職場革命。

今回は、京都府久世郡久御山町に本社を構える株式会社アグティ様に、地域循環ワークシェアリングの取り組みや働く人々を幸せにする職場づくりについて、お話をお伺いしました。

 

目次

 

お話を伺った方

齊藤 徹 様

株式会社アグティ 代表取締役
NPO法人ブルーステージ 理事
株式会社でかいうつわ 取締役

19歳、叔父が創業した(有)アロマクリエイト(現アグティ)に入社。
25歳アグティ取締役、35歳アグティ代表取締役。
36歳NPO法人ブルーステージを設立し理事長。
45歳、NPO法人ブルーステージ理事長を退任し、株式会社でかいうつわを仲間たちと設立。
現在47歳。家族は奥さん、24歳と14歳の息子です。

35歳代表取締役就任後、支配的で威圧的な性格が原因で思い悩み続けた5年間。
学びや対話を通じてなんとなくいい感じのここ最近。

 

学生インタビュアー紹介

新 美月(しん みづき)

循環フェス実行員・学生運営企画の新 美月(しん みづき)です!
私は京都外国語大学グローバルスタディーズ学科に通う23歳の大学4年生です。
デザイナーだった母の影響で、幼少期からファッションに親しみ、大学ではサーキュラーファッションに強く惹かれました。
4年次には、アパレル業界の実情やファッションロスを深く理解するために1年間の休学を決意し、各地の縫製工場を巡っていました。
今年6月には縫製の町・福井県勝山市に移住し、地域の縫製工場の方々と協力して、アパレル業界の大きな課題である残反問題に取り組んでいます。
また、独学で服作りと着物のアップサイクルプロジェクトも進行中。
現在は循環フェスの学生運営企画として、ウェブ記事作成やステージイベントの企画などのサポートにも積極的に参加しています。

 

入江 優歌(いりえ ゆうか)

循環フェス実行委員の入江 優歌(いりえ ゆうか)です!
龍谷大学経済学部現代経済学科の大学3年生です。
商業高校時代に国内外の問題に対してビジネスアイデアを考える中で、自分自身も何かアクションを起こしたいと感じていました。
お下がりが身近にある環境や古着好きということからファッションロスに強く関心を抱いており、偶然出会った¥0Marketに惹かれて循環フェス実行委員として活動しております。
現在は循環フェスなどのイベントでの¥0Marketのスタッフや、回収した古着の仕分けのお手伝いをしており、今回は初めて記事作成に参加させていただきました。
大学では計量経済学を扱うゼミに所属しており、Rを用いて社会問題を分析しています。
色んなことに挑戦して自分のものさしを増やしながら、できることを模索中です。

 

株式会社アグティについて

株式会社アグティは、京都府久御山町に本社を構え、クリーニングや清掃サービスを中心に地域密着型の事業を展開しています。
1992年の設立以来、医療福祉施設やオフィスを対象とした業務に加え、環境に配慮した持続可能な取り組みにも注力。
特に注目すべきは、地域循環型ワークシェアリングプロジェクト「ACWA BASE」。
孤立や孤独といった社会問題を解消するために、地域住民が自由に参加できる場を提供しています。
誰でも気軽に仕事に参加し、地域の人々との交流を深めながら働くことができるこの取り組みは、コミュニティづくりにも貢献し、20代から80代まで幅広い年代の人々が利用しています。

 

ヒトにとって価値のある会社作りを

アグティの信念

「会社は、働く人のために存在する。」

この言葉を初めて目にした時、きっとシンプルな言葉のはずなのに、なぜか考え込んでしまいました。
おそらく、私自身がいつの間にか「会社のために働く」という考え方を当たり前にしていたからかもしれません。

日本の伝統的な働き方では、会社に忠誠を尽くすことが美徳とされてきましたが、アグティさんはあくまでも「人」に重点を置いているのです。

 

フーテンのトラさん制度

数々のユニークな活動をしている中で、特に驚いたのが「フーテンのトラさん制度」。
これは2022年に始まり5年に一度、28日間の連続休暇を取れるという制度。
「長い人生の中で、5年に一度くらいは立ち止まって休憩しよう、本当にしたかったことをしよう。」という齊藤さんの考えが込められています。

この制度はサバディカル休暇という大学教授の研究休暇に触発されて始まったものですが、休暇中は特に勉強や会社のための行動をする必要はなく、純粋に好きなように過ごしていいのです。
さらに、休暇中は社用携帯を会社に預けなければならず、仕事は一切させない徹底ぶりには驚かされました。

齊藤さんの中には、常に「人にとっての幸せとは何か」という問いを心に抱き、試行錯誤を続けられています。
社員の本当の幸せを探求する姿勢は、どの制度や取り組みにも表れており、ただの理念にとどまりません。
その姿勢は「企業は人のためにある」という信念のもとアグティさんの強い基盤となり、社員や地域の方々の心に響いているのだと感じます。

 

地域循環ワークシェアリングとは?

地域循環ワークスペースとは、地域社会と企業、人々が柔軟に働く場所や人材を共有し合うことで、地域全体の持続可能な働き方を促進する取り組みです。

アグティさんが運営する「ACWABASE」はその一例。

京都府久御山町にあるこの施設では、働く時間や頻度を自分で決められる自由な働き方が特徴です。
いつ来ても、いつ帰っても良く、たくさん働いても、全然働かなくても良いという柔軟なシステム。

スタッフが自分の都合に合わせて自由に出入りでき、空き時間に「服を畳む」「タオルを畳む」といった作業に取り組むことが可能です。
作業時間や頻度はそれぞれのペースに合わせられるため、誰もが無理なく働ける環境です。

 

たくさん働いてもいい、おしゃべりだけでもいい

ACWABASEは、社会から孤立している方々が気軽に訪れることのできる居場所としても機能しています。
引きこもりになってしまった方や、子育て中に孤立を感じている子育て世代、高齢者など、さまざまな事情を抱える人々がここで安心して集うことができます。

柔軟な働き方を提供するこの空間では、義務感から解放され、自分のペースで活動できる。
訪れる人々はストレスを感じることなく、自然体で過ごすことができるのです。

また、ACWABASEでは、地域の多様な人々が集まり、互いに支え合うコミュニティが形成されています。
孤立を感じている人々が、同じような境遇の人とつながることで、共感や安心感を得られ、社会との関わりを再構築するきっかけとなるのです。
ACWABASEは単なる作業場を超え、居心地の良さを感じられる心の拠り所としての価値を持っています。

 

「働く」ってなんだろう

ACWABASEをはじめ、齊藤さんのお話に触れる中で、「働く」という言葉に対する見方がどこか新しい視点のように感じられ、思い切って率直な質問を投げかけてみました。

「齊藤さんにとって、働くって何ですか?」

齊藤さんの答えは、驚くほどシンプルで心に響くものでした。

「自分の人生を豊かにする手段です」と。

生きるという行為の一部に働くがあり、働くという行為に囚われすぎない。

働くことで得られることは、単なる収入や役職といった表面的なものだけではなく、自分自身や周りの人々の幸せ、そして人生に新たな価値や彩りをもたらす豊かな経験だと考えているのです。

しかし人生の一部に働くという行為がある以上、その時間は人生の質に直結するものであり、だからこそ心からやりがいを感じ、周囲とつながりを育む機会であってほしいと齊藤さんは願っています。
齊藤さんにとって「働く」とは、ただ何かをこなして消費する時間ではなく、人生そのものを深く味わい、その中で成長し、喜びを分かち合える手段の一つなのだと感じました。

だからこそ、人に喜ばれる仕事をし、大切な人をモノを、大切にできる会社を創る。

そして働く人の幸せが地域へと広がり、豊かさが循環しているように感じます。

 

サブインタビュアー入江 優歌(いりえ ゆうか)より

働くことは自分の人生を豊かにする手段であり、会社は働く人のために存在する、という考え方が深く印象に残っています。
私は現在、大学3年生のため就職活動に取り組んでいるのですが、周囲を見渡すと、入社したい企業に合わせるために、自分を無理に作り込んでいる人も少なくありません。
もちろん、自分自身をアップデートすることは重要ですが、その人自身が持つ魅力や個性が失われてしまうのはもったいないと感じます。

「働く」ということに絶対的な正解はないはずです。

しかし、話を伺う中で、自分で勝手に働くことのハードルを上げていたことに気が付きました。

例えば、じっとしている作業が苦手で接客業を選びたい人もいれば、人見知りだから対人関係が少ない仕事を希望する人もいます。
そのため、毎日職場に通えない人や、その日の調子でできることが変わる人も、自分に合った柔軟な働き方を選べるのが自然であるべきだと思いました。

さらに、「幸せとは何か」という話題で、「大切な人や大切なものをきちんと大切にしたい」という言葉を聞いてから、私にとって大切なものは何か、改めて考えるようになりました。

義務として働くのではなく、大切なものを大切にしながら働ける道を見つけていきたいです。

 

最後に

今回は、株式会社アグティ様にて「地域循環ワークシェアリング」や「誰も孤立しない社会づくり」への取り組みについてお話を伺いました。

齊藤さんがおっしゃる「人に喜ばれる仕事をし、大切な人やモノを大切にする」というお考えは、単なる言葉に留まらず、ACWABASEをはじめ、日々の活動を通じて実践されています。
また、「働く」という言葉に込められた価値を、単なる収入を得る手段にとどめず、人生を豊かに彩る手段として捉えている齊藤さんの姿勢には、強く心を動かされました。

まずは大切な人から、身近な人から、そして地域へと。

「人を幸せにする」という根源を常に熟考し、試行錯誤し続ける齊藤さんの周りには、人の心が自然と集まっているように感じます。

 


 

株式会社アグティ情報

HP:https://www.agt-kk.co.jp/

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